本「動物病院119番」、セキセイ谷口氏のこと

鳥日記・雑
07 /30 2010
図書館でたまたま目に付いた
『動物病院119番』を読んだ。

獣医師の視線から、今のペット業界について語っている本。とつとつとした語り口ながら、この本の上梓された2005年時点のあれこれを切り出している。インタビュア、凄腕…。
前回安楽死絡みの本について書いたけれど、この本でも「幸せな思い出を永遠に~死の環境変化」と題して一章を割いて、日本での現状に触れているのが興味深かった。
  
  
この本を読んでいる頃に、ミクシィの某コミュで「病気のコザクラを助けて」というトピが立った。身も蓋もない略しかただと、病鳥をこれ以上育てていくことができない、誰かかわりに引き受けて病気を治してあげてください…と。
普通じゃない告知内容に、賛否両論、意見を述べる人多数。
だけど、トピ主さんのトンデモ告知に至った経緯を日記で読んでいくと、病鳥の介護で追い詰められて普通でなくなった精神状態が見えてくる。
とても不幸なケースだ。
  
いま、鳥の医療は急激に進んでいる。
昔なら助からない命が助かるようになった。
病気を未然に防ぐ、健診の概念も徐々に広まりつつある。
  
だが、一方でそれは全員が平等に享受できるものではない。鳥が見れる獣医は限られている。物理的距離が邪魔して通えない場合もある。自由診療。生かすための薬。えぐい表現だが、金で命を購うのだ。
見えていても、手が届かないならそれは選べない選択肢。無理に手を伸ばせば関節がぐぎっと来てあとで大変なことになる。
選べる中で最善を尽くした結果なら、後悔はしたら駄目だ。
鳥は鳥です。飼い鳥は大切な家族、でもペット。
人間の生活の基本を脅かしたり、鳥の通院費のために借金したり、離婚の火種になるなら本末転倒。
  
選択肢が複数ある都市部の鳥飼いにとっても、治療に幅が出て松竹梅いろいろな選択ができるからこそ、意思を持って取捨選択することは必要になってくる。
時には、やめる、という決断する場面もあろうかと思う。
 
そして、自分で選んだなら、結果を恐れるな。
 
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私の手許にはずいぶんな数の鳥がいる。その中には闘病のため長期の通院をしている子がいる。
その一方で、治療しない選択肢をした子がいる。
愛鳥家を自負する人からみたら、私の行動は愛護に反するとけちょんけちょんに叩かれる代物だが、事実なので公開してみる。
  
セキセイインコの谷口氏の調子が非常に思わしくない。
スレートブルーの羽根が美しい彼は、年齢不詳だ。うちに来たときは既に大人だった。
年齢は嘴からの推測で6歳か7歳か。
おっさんだが、老衰という年ではない。
でも、積極的な治療は考えていない。
 
1年ほど前に、鼻こぶの色が褐色化していたのが第一の兆候。半年くらい前から腰周りがもってりしてきた。なんとなく、原因は…推測できるかと。ここ最近は、眠っていることが多い。床に降りていることも多いので、網は外して餌箱を床に追加している。止まり木も追加。籠も暖かくて良い場所に。
パートナー鳥のいずみちゃんがサポートに付いてるのもよく見る。
  
鼻こぶの変色の時点で獣医に見せるか迷って、やめた。
彼は人嫌いの荒鳥。基本的に触れません。放鳥を強制的に切り上げる時、真っ暗にしてタオルでわしづかみにすれば心臓止まるかってくらいばくばくしている。そんな鳥を通院のために籠の中を追い回して掴んでプラケースに移す、それだけでとんでもない負担。
荒鳥のいずみちゃんを病院に連れて行ったとき、暴れてケースの中で頭から流血したことがある。まあ、谷口氏の場合も無傷とはいかないかも。。
長期治療となればたびたびの移動の負担、一羽だけ離されての投薬。もしかしたら手術。
そこまでして、老齢にさしかかった彼の寿命がどれだけ延びるのか。逆にストレスで縮まるのでは。
いっそのこと、好きな彼女と気ままに暮らすほうが、短くても彼のQOLは高くなるのではないかと思ったのだ。
 
 
覚悟はしているが、日々弱っていく谷口氏を見るのは怖い。
丸まって眠っていればどこか痛むのかと心配になる。
調子がよさそうな夜は、開け放した籠から出てきて軽く飛んで勝手に帰っていく。往年の勢いはないものの、飛ぶ姿はやはり美しい。
できる限り、彼が負担少なく暮らせるように調えながら日常を見守っている。
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コメント

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前に下腹部と腰に大きな腫瘍のあるメスのセキセイ飼ってました。
お腹のは大きすぎて止まり木に擦れて羽が擦りきれて腫瘍が見えてました。
卵を持っているメス鳥の比ではなかったです。
人間でいうと臨月の妊婦ぐらいだと思う。
でも元気でした。
保護鳥だったから、正確な歳はわからなかったけど、家に6年以上いました。
自然にまかせましたね。
昼間は外飼いでした。
大きなお腹を抱えて止まり木を右往左往走ってました。

鳥に手術は、私の選択肢にはないなあ。
鳥をたくさん飼ってた時は、何があってもドンと構えてたのに、少数飼いになってからは全然ダメなんですよね。
飼い鳥の病気の治療、大事で重いテーマですね。
結論は人それぞれ、ケースバイケース
ほんとにねねさまのおっしゃる通り、後悔しちゃいけないし、後悔しない結論を出さなきゃいけない。
私がこんなこと書いていいのか。。

冬花さま

私も最近は右往左往してばっかりだ。
昔のほうが、獣医がまったく頼れないぶん肝は座っていたともいえます。
明らかに具合が悪くても、家庭で最後まで見ることを前提にして、前向きに工夫していましたから。
   
うちの「ゆっきー」は卵詰まり時に手術で助かった命ですが、以来、腹を切るまでの治療は不自然なことだったのではないのかと引っ掛かりを感じたまま過ごしています。
それでも、苦しそうな鳥を目の前にしたら、やはり手術に同意するんだろうな。
  
「たら」「れば」を言わないですむようにしたいと思いつつ、まだまだその境地には行けません。
煩悩が多すぎるようです。

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にょろねね(~ねね)